9月のメッセージ

2010年9月5日

南房教会 牧師 原田史郎

すべての命あるもの、・・箱舟に連れて入り、あなたと共に生き延びるようにしなさい。(創世記6章19節)

 今年の猛暑は、「ラニーニャ現象」と言って、ペルー沖の海水表面温度が例年より低くなることに由来しているそうです。このため、暖かい海水が西側に吹き寄せられ、インドネシア、フィリッピンの海水温が上がります。ここからの上昇気流が日本にも来て、太平洋高気圧を強めるのだそうです。熱い高気圧が、遥かかなたの、ペルー沖の海面水温から来るとは、本当に地球は一つだと実感されます。

 日本では、熱中症で亡くなった方が400人を超えたそうですので、残暑の中、水を飲み、クーラー嫌いの人も、体温が上がらないようにご注意ください。

 

 この暑さの中、教会に一寸したことがありました。誰が捨てたのか、或いは、親猫が咥えてきたのか、子猫が、教会の雨樋から排水パイプに入り込んでいました。初め、どこにいるのか分からず、木の茂みや樋も覗いたのですが分からず仕舞い。しかし、日中は、か細い声でニャーニャーと鳴いているのですが、夜になると、周りが静かなせいもあって、一段と、悲しいと言いますか人間の肺腑に訴えるような声で鳴くのです。このため、やや不眠症気味になり夜中に懐中電灯とはしごで探しましたが、やはり、どこにいるのか分かりません。雨樋は、壁伝いパイプに落ち葉や異物が入らないように、開口部に格子状の枠がセットされており、その狭い隙間から、いくら子猫といえども、入り込むこと等考えられないのです。

 しかし、鳴き声を聞き始めて10日目、ついに、この雨水のパイプ以外にない、と折から来ておられた教会の姉妹と判断しました。そこで、上から、水を流しますと、ものすごい悲鳴が上がります。「いた、いた」とわたしたちは発見した喜びに浸りましたが、中の子猫は恐怖のまっただ中だったと思います。

 そこで、今度は、この雨水排水パイプを切断してもらうために、道具を持っている教会の兄弟にお願いしましたが、パイプが硬くて刃が立ちません。そこで、工事した、工務店に電話して、逃げ回る子猫を追い、3ヶ所切断の末、救出劇は終わりました。

 10日間、飲まず食わず、というのは、信じられない生命力です。しかも、気温34度から36度の日が続いたことを思えば尚更です。

 動物病院の松浦先生は、猫ミルクをチューブで飲ませて、体を拭いて、爪を切ってくださいました。500グラム、生後2ヵ月だそうです。引き取り手の現れるまで、目下、牧師館での生活です。7歳のビーグル犬、さおちゃんの周りを走り回っています。大切にしているトルコ絨たんの上にオシッコをされたり、(おかげで撤去)被害もありますが、救われた命の尊さに神さまに感謝しています。

もどる