1月のメッセージ

2011年1月1日

南房教会 牧師 原田史郎

 

「今や、恵みの時、今こそ救いの日」コリント6章2節

新年明けましておめでとうございます。

クリスマスから、大晦日の除夜の鐘、そして気が付けば、元旦が来てしまった、というのが、大方の世間の実感でしょう。私たちは、過ぎたことは忘れる、という国民性を持っていますから、良くも悪くも、過ぎ去ったことをあまり引き摺らないので、すぐに、新しい年に、順応することが出来るのだと思います。でも、そのような時間感覚は、松の内を過ぎれば、この新年の始まりの感覚や決意もすぐに色あせ、また昨年となんの変り映えのしない日常が、続くのではないかと、思います。まさに、川の流れのようにです。

 

聖書の中に、時間を現わす言葉がいくつかありますが、その一つに「カイロス」(時)というギリシャ語があります。冒頭の聖句「今や、恵みの時、救いの時」の「時」はカイロスという語が使われています。この言葉は、他の一般的な時間とは違い、神さまの特別な時を表わします。主イエスが「わたしの時(カイロス)はまだ来ていない。」(ヨハネ7:6)と言われたことからも、カイロスが特別な時だということが分かります。

 

そして、この神さまの特別な時は、わたしたちの生き方に深く関ります。パウロは、「時(カイロス)をよく用いなさい。今は悪い時代なのです。だから、無分別な者とならず、主の御心がなんであるかを悟りなさい。」(エフェソ5:16,17)と勧めました。

実は、教会のカレンダーでは、昨年のクリスマスから、新しい暦が始まっているのです。12月25日(土)の神のみ子イエスの降誕日の翌日の日曜日(12月26日)は、降誕節第一主日として、教会は礼拝を守りました。そして年が明けて、2011年1月2日[日]は、降誕節の第二の日曜日なのです。

お屠蘇(とそ)気分は、やがて消えてしまいます。しかし、キリストによって、わたしたちの中に新しく始まった時は、決して色褪()せることなく、この年も新しい恵みの業を現わすに違いないと信じます。

 

 「御言葉を宣べ伝えなさい。折(カイロス)が良くても悪くても励みなさい。」(テモテ4:2) この2011年が、あなたにとって、この神さまの救いと恵みが現わされる豊かな年と成りますよう、お祈りいたします。 12月24日(金)のクリスマス・イブには、どこの教会でも、キャンドル・サービス(燭火礼拝)が、持たれます。闇を破って輝きだした光に、イエス・キリストの到来を覚え、そこに現わされた神さまのわたしたちへの深い憐れみと愛に感謝したいものです。

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