5月のメッセージ

2012年5月6日

南房教会 原田史郎

 

「神は言われる。終わりの時に、わたしの霊をすべての人に注ぐ。すると、あなたたちの息子と娘は預言し、若者は幻を見、老人は夢を見る。」  (使徒言行録2章17節)

 

 12月25日のクリスマスは、今や、国民的行事となり、クリスチャンでなくてもクリスマスを祝います。これに加えて、今まであまり関心をひかなかった春のイースター(キリストの復活を記念する祝祭日)が、このごろメディアや商戦に採り上げられるようになり、少しずつ認知度を上げるようになりました。

 このクリスマスとイースターは、キリスト教の三大祝祭日の二つです。そして、もう一つの、まったくといっていい位に知られていない祝祭日があるのです。この祝祭日が「ペンテコステ」または「聖霊降臨日」と呼ばれ、イースターから50日後の、大体五月頃に

もたれます。

 復活のキリストは、弟子たちの見ている中で、天に昇られます。地上に残された弟子たちは、およそ120人の人たちとエルサレムの二階座敷に集まり、キリストの約束された力をいただくために祈り続けました。そして、五旬節(ペンテコステ)と呼ばれる日、天からの賜物である聖霊が、集まっていた人たち一人一人の上に降りました。

 その時、ペテロが、異変を知って集まってきた人々に向かって語り出しました。その際、旧約聖書のヨエル預言から引用した一節が、上の聖書の言葉です。

 「若者は幻を見」る、といいます。今日、若い人たちに将来の夢や幻の無いことがいわれます。明治維新のときには、坂本竜馬や吉田松陰をはじめ若者たちの幻とエネルギーが日本国を動かし、時代を変えました。

 しかし、今日でも聖霊が注がれるとき、今まで、挫折と失敗の中にうずくまっていた弟子たちが再生され、確信に溢れて、「イエスが救い主、メシア」であることを語り始めるようなことが起こり得るのです。

 

 聖霊は、霊ですから姿や形を見ることは出来ません。しかし、風を見ることは出来なくても、風が吹いた跡をわたしたちは見ることが出来ます。個人としては力が弱くても、ある時から、不思議な力に押し出されるように活動を始め、ついには歴史を動かすようになった人たちがいます。たとえば、マルチン・ルサーキング牧師は、黒人差別のただ中で、すべての人々が自由で平等、そして兄弟であることを語り続けました。キング牧師の中に溢れ、彼を突き動かし、死をも恐れず語らしめていた力と情熱は、聖霊によるものなのです。

 今年のペンテコステ(または聖霊降臨日第一主日)礼拝日は、5月27日[日]です。

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