12月のメッセージ

2012年12月4日

南房教会牧師 原田 史郎

 

「その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである」

(ヨハネによる福音書1章9節)

今年は、12月2日[日]がキリストのお生まれを待つ「待降節(アドベント)」の最初の日曜日になります。南房教会では、例年のようにクリスマス・イルミネーションを教会堂のひさしや庭の柵に張り、夜間の点灯を始めました。最近は、個人の住宅でも、イルミネーションを飾る家がありますが、この館山では、あまり普及していないため、丘のうえにある教会のイルミネーションは、ひときわ美しく輝いています。さっそく、近所の方が数人「綺麗ですね」と見に来られました。

クリスマスは、「まことの光」であるイエス・キリストがわたしたちのこの世に来てくださった喜びのときです。主イエスは「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ(ヨハネ8章12節)」と言われました。

思えば、今わたしたちの周りには、多くの闇があります。最近、衝撃を受けたのは、小中高校などでのいじめが、この半年で14万件あったという文部科学省の報告です。昨年の2011年度は約7万件余ですから、14万4054件という数字は、この半年で前年度1年の2倍になったということです。いじめは、子どもたちのこころと体を傷つけます。自殺をほのめかした小学生やリストカットした中学生の事例も報告されています。こうなると命にも関ることです。希望に満ち、明日を担うべき若い人たちの中に、深く静かに闇の力が浸透しつつあることに驚かされます。しかもこれは、ひとつの事例にすぎません。

しかし闇が深ければ深い程、闇を追い払う光の輝きと威力は増すのです。「わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ」と主イエスは言われました。わたしたちに大切なことは、この光でありたもうキリストに顔を向け、このお方をわたしたちのこころにお迎えすることなのです。そのとき、わたしたちは命の光をいただくのです。

  礼拝堂のクランツに、4本の赤いキャンドルが立ちました。アドベントの礼拝を重ねる度ごとに、キャンドルに一本ずつ明りが灯されます。その光を見ながら、主の到来の近いことを思います。今年のクリスマスがあなたにとって、喜びと新しい命の出発になりますように、そして、近くの教会のクリスマス礼拝に、是非、出席されますようお祈り致します。

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