1月のメッセージ

2014年1月8日

牧師 原田 史郎

 

「人の心には多くの計らいがある。(しかし)主の御旨のみが実現する」

箴言19章21節

 

 「新年あけましておめでとうございます」というのも、もう8日になりますと、誰も言いません。それでも、新年になって初めて会った人には「今年もよろしくおねがいします」と、挨拶を交わします。でもこの挨拶も、第2週の12日(日)を過ぎれば、普段どおりの挨拶に戻るでしょう。そして、いつもと変わらない日々が続きます。

 このよう新年の新しさは、束の間に消えていくのですが、それと共に新年に立てた計画も消えてしまうのでしょうか。昨日の新聞に「脱・三日坊主のコツ」という記事が載っていて、これは自分にもあてはまると、苦笑しながら読みました。これで、やる気が達成できれば大きな進歩ですが、そううまくいくのだろうかと、凡人は思うのです。

 聖書にそんなわたしたちの脆弱さを見透かしたかのように「人の心には多くの計らいがある。(しかし)主の御旨のみが実現する」という箴言があります。人間の考えや計画だけで万事うまくいく訳ではないのです。わたしたちの人生は、自分の努力や鍛錬も大切ですが、それを超えた「天命」のような、わたしたちの生と死を越えた大きな力が確かに存在するのです。

 こんな話があります。ナポレオンがロシアを攻略するとき、ある人が「人は計画しますが神さまは措置なさいますので、ご注意ください」と言いました。すると、ナポレオンは笑って「わたしが計画し、わたしが措置する」と、自信たっぷりに言い返したそうです。歴史は、フランス軍がモスクワに入ったものの、冬将軍の到来で、寒気と飢えの中、悲惨な撤退に追い込まれたことを記しています。「主の御旨のみが実現する」という謙遜さがあれば、事態はもう少し変わったものになったでしょう。

 わたしたちにとっての計画は、「主の御旨」が何であるかを問うことから始まるのではないかと思います。すなわち、神さまが、このわたしに、この年、何をなそうと願っておられるのか。或いは何を成さしめようと計画されておられるのか。この「主の御旨」を問いつつ、そのために必要な準備や計画が、次に出てくるべきなのです。

 そしてこの「主の御旨」を知るために、神さまは三つのものをわたしたちに備えておられます。読むべき神の言葉としての「聖書」。対話すべきお方として出会う「救い主キリスト」。そして、語られる聖書にいつも耳を傾け、キリストを中心にした交わりを持った霊の共同体である「教会」、この三つです。

この2014年が、あなたにとって良い一年と成りますように、心からお祈りいたします。

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