5月のメッセージ

2014年5月4日

南房教会牧師 原田 史郎

「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある」

コヘレトの言葉3章1節 

今年のゴールンウイークは、前半がお天気に恵まれたものの、後半が変わり易く、外出する人には、一寸残念な連休だったと思います。館山にいますと、この季節は、花の開花で春を実感します。城山公園のツツジが見ごろになり、オオムラサキ、サツキ、クルメツツジなど6400本が白、紫、赤、ピンクと咲き乱れているのはなかなかの景観です。教会の庭にも、落合園芸の、今年の新しい品種で、日本ではまだ二ヶ所しか栽培していないというウエーブ・ミスティ・ライラックほか三種の花鉢が、ストック、葉牡丹、パンジーなど、冬の間、目を楽しませてくれた花々と交替しました。これからさらに新しい春の花が移植され、教会の周りを美しく彩ることでしょう。またフラワーロードや鴨川の菜な畑ロードを、幸せのハンカチならぬ黄色で飾った菜の花の種取りも始まりました。役目を終えたこれらの種は、また今年の9,10月に蒔かれるとのことです。

このような自然の移り変わりを見ていますと、時の流れと、そこに定められた時があることを教えられます。このようなことは、人間の成育過程にもあるようで、先日、新聞の「子どもとスポ-ツ」という特集で、英才教育も「早すぎると頭打ちも」という記事を見ました(「朝日新聞」 5月1日)。来るべきオリンピックに備えて、日本オリンピック委員会(JOC)は、中高生を寄宿制のエリ-トアカデミーに入れて、訓練を始めました。野球やサッカーのような競技の底辺が広いものと違って、多くの競技はボランテアで支えられています。ソチ五輪で優勝したスノーボードのように、名前は知られているわりに、競技する人は少ないようです。ですから、JOCの水泳の飛び込みやライフル射撃など、中高生への取り組みは、理想的だと思えるのですが、そう簡単なものではないという記事です。

それは、スポーツ研究員によると「専門的な練習を始めてから高度な水準に達するのは、競技にもよるが5~7年が一般的」だというのです。トレーニング研究の先駆者、テュダー・ボンパ氏によると、水泳や体操は、体の動きを小さいうちに覚えるほうが良いのですが、それ以外の競技は、体力の整うときを待って、年齢的にもう少しずらした方が良いというのです。たとえば68年から92年の五輪選手で一番若かったのは、体操女子の平均年齢は17.2歳でした。因みに射撃は平均年齢が高く、33.2歳です。こうしたデータがいくつも集められているのですが、ボンパ氏によれば、体操女子は9~10歳から練習を始めるのが適当ですが、射撃の専門練習開始は17~18歳でよく、中学生や高校1、2年生でも早いということになります。

 わたしは、スポーツの専門家ではないので、これが正しいのかどうかは分りません。また、人間がデーター通りになるとは限りません。でも、このことで教えられることは、物事には「時」がある、ということです。それは、その人にとっての時で、なにかを始めるにしても、そのことに最適な、最善の時があるということです。 聖書は「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある」(コヘレトの言葉3章1節)といいます。神さまが、わたしたちに定められた「務め」は何なのでしょうか。そしてそのための「時」はいつなのでしょうか。

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