8月のメッセージ「新しいアブラハムの子女」

2018年8月1日

南房教会牧師  梁 在哲(ヤン ジェチョル)

 

ルカによる福音書第1310-17

毎年8月になるとアジア諸国は勿論、この時期終戦を迎えた日本にとって平和を考える季節になり、悲惨な戦争を乗り越えて世界で最も平和な国となっていることについて異議を唱える人は多分いないと思われる。しかしながら、このように平穏な国、日本も最近、北朝鮮の核兵器とミサイルの問題や暴力的な犯罪による事故、また豪雨、洪水、地震のような自然災害、地球温暖化による猛暑、そして様々な病や格差社会の問題などが押し寄せて来る現実に直面しているのである。

確かに自然災害や病、貧困の問題などは個人にとって不幸なことで誰にも起り得るものであるがゆえに今も昔も人間の罪とそのような不幸な出来事や苦しみとの間でどのようなかかわりがあるのかについて絶えずに問われて来たのである。しかし、主イエスはその関連性、つまり私たち人間の罪と病や苦しみとの関連性を「18年間暗闇の力に取りつかれていた」女性を癒してくださるお働きを通して完全に無くしてくださった。主イエスは酷い病から解き放たれることを願われて女性をお呼びになり「婦人よ、病気は治った」と言われてその上に御手を伸ばされて按手をされた。

そして「この女はアブラハムの娘なのに18年もの間サタンに縛られていたのだ。安息日であってもその束縛から解いてやるべきではなかったのか。」(16節)と、言われた。主イエスは徴税人ザアカイの家をおたずねになった時も、「今日救いがこの家を訪れた。この人もアブハムの子なのだから。人の子は失われた者を捜して救うために来たのである。」(199-10)と言われた。徴税人ザアカイを「アブラハムの子」とお呼びになった時と同じように18年間サタンの力に縛られて、人々からは蔑視された女性を主イエスは「アブラハムの娘」と、高くあげられてその病の根本的な原因は暗闇の束縛の力にあることを言われた。

群れは皆、主イエスが言われたことを聞いてそして数々の素晴らしい行ないを見てこぞって喜んだが何故、群衆はそんなにこぞって喜んだのであろうか。それは暗闇の力とその束縛の鎖を打ち破られる主イエスの御憐れみの眼差しを目の当たりして、「婦人よ、病気は治った」と言われる勝利のお声と18年間「アブラハムの娘」を苦しめて来たサタンの束縛の力に勝る力、主イエスの良いお知らせ-福音-を聞いたからではないだろうか。

主イエスの良いお知らせを目の前で耳にしても、それを拒む者には慌てて恥をかくような厳しいお声となるけれども、主イエスの良いお知らせを素直に受け入れる者にとってそれは栄光に満ち溢れる勝利のお声、福音となったのである。私たちは御自ら十字架の道へ進まれた主イエスの御憐れみの眼差しを仰ぎつつ、この世の暗闇と死の力を打ち破られた主イエスのご復活の勝利のお声に勇気づけられて、主イエスの福音を世に宣べ伝えて行く「新しいアブラハムの子女」になりたいと願うのである。

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