聖霊の賜物

2010年5月23日 説教 原田 史郎 牧師

使徒言行録 2章1~11節

 

ペンテコステの日、聖霊は祈っていた120人ほどの人々の上に、二つの表徴を持って降りました。一つは、「激しい風」のようにです。「風」は聖書の原文では、「霊」とも、「息」とも訳すことが出来る言葉です。

 

預言者エゼキエルは、枯れた骨の谷に立っていました。その時、神さまは預言者に言いました。「霊よ、これらの殺されたものの上に吹きつけよ。そうすれば彼らは生き返る」(エゼキエル37:9b)。そうすると、骨は連なり、生きた軍団が出来ました。神さまの霊、聖霊が降る時、そこには新しい命が生まれるのです。

 

もうひとつのかたちは、聖霊は「炎のような舌」、すなわち「火」となって降りました。これは、「その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる」(マタイ3:11)と主イエスの活動を預言した洗礼者ヨハネの預言の成就です。それは、わたしたちの不義と罪を焼き尽くし、きよい神の子として新生させてくださる聖霊の働きを表しています。

 

聖霊が下った時、大きな変化が起こりました。「すると一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で語りだした」(使徒2:4)のです。バベルの塔以来、バラバラになっていたわたしたちの世界に、神さまの言葉が語られ、それを聞く者に一致がもたらされたのです。ここに聖霊によって、新しいイスラエルとし、キリストの教会が誕生したのです。聖霊は、今もわたしたちの中で働いているのです。

 

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