生涯のささげもの

   2010年9月5日

   説教 原田 史郎牧師

マルコ福音書 12章35節~44節

 主イエスは、神殿に行き賽銭箱の向かいに座られ、群衆が、金を入れる様子を見ておられました。大勢の金持ちたちが、たくさん入れていました。

 賓銭箱は、ソパロツトと呼ばれ、雄羊の角で作られ、上に口が開いていて、13の受け口が並んでいます。わたしたちは、献金を袋に入れ、奉仕や他の捧げものも、あまり人に知られないようにしますが、主はそのすべてを、見ておられるのです。

 

 ところが、金持ちたちに混じって、一人の貧しいやもめが、やって来て、レプトン銅貨2枚(1クァドランス)を入れました。レプトンは、当時のユダヤ社会では、最も小額な銅貨でした。1レプトンは、1デナリオンの128分の1です。主イエスのたとえ話の中に出てくるスズメは、二羽で1アサリオンでした。1アサリオンは1デナリオンの16分の1ですから、やもめは、スズメの一羽も買えません。

 しかし、主イエスは、弟子たちに言われました。「はっきり言っておく。この貧しいやもめは、賽銭箱に入れている人の中で、だれよりもたくさん入れた。」主の賞賛は、入れた額よりも、彼女の神さまに対する信頼と献身なのです。

 「皆は有り余る中から入れたが、この人は、乏しい中から自分の持っている物をすべて、生活費を全部入れたからである。」やもめが、生活費の全部を入れたのは、明日の必要を備えてくださる主を信頼していたからでしょう。

 主を信頼することの中に、わたしたちの真の豊かさがあるのです。ぶどうの枝が幹の養分によって、実を結ぶように、わたしたちも主イエス・キリストに信頼して、しっかりと結びついていることが、大切なのです

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