十字架への道

牧師 原田 史郎

 主イエスがエルサレムに入城されるとき、群衆は、熱狂して「ホサナ」と叫んで歓迎しました。この「ホサナ」は、日本語ではあまりインパクトがありませんが、ヘブル語「ホッシャー・ナー」は、初めと後ろに音声を出さない摩擦音(h)がついていて、口から息を吐き出すように発音します。群衆は、心の内にある思いのたけを、この言葉で叫びつつキリストの到来を喜びました。

 「ホサナ」は、「今、救ってください」「おお、救い給え」の意味があります。(詩編118:25)。人々は、歓呼の声を上げる中で、無意識の内に、罪と死にうめいているわたしたち、人間の奥深い魂の救いを、求め叫び続けていたのです。

 その声に応えるように、救い主は、今、十字架の道を歩まれるのです。

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