新しい天と地

(10月28日の説教から)

牧師  原田 史郎

ヨハネの黙示録21章1~4節、22~27節

 神さまが、はじめこの世界を創造されました(創世記1章1節)。しかしこの世界は、いつか終り、もう一つの創造としての「新しい天と地」がわたしたちのために用意されていると、ヨハネ黙示録は予言します。

 この新しい天と地では、「もはや海もなくなった」とあります。古代の人たちにとって、海は恐怖と人間の存在を脅かす象徴でした。しかも、その海からは「十本の角と七つの頭を持った獣(けもの)がのぼってくる(13章1節)」のです。これは当時、キリスト者を迫害したローマ帝国を表すものだといわれます。

 しかし海のない「新しい天と地」は、「もはや死もなく、もはや悲しみも嘆きも労苦もない」ところなのです。

 そしてこのようなことは、この新しい神の都では「神が人と共に住み、人は神の民となる。神は自ら人と共に」いてくださることによって起こるのです。この都の様子は、21章9節以下に詳細に語られていますが、そこはいつも神さまを賛美するために「人々は諸国の民の栄光と誉れを携えて都に来る」のです。

 この新しい創造は、イエス・キリストの救いによって「新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通した実現したのです(テトス3章5節)」とあるように、すでに部分的にはわたしたちの中にも始まっているのです。

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