人間を照らす命の光が来た

牧師  原田 史郎

ヨハネによる福音書1章1~11節

クリスマスの出来事は、イザヤの預言のように「闇の中を歩む民は、大いなる光を見、死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた」ということです。今日、わたしたちの世界は、いたるところに闇があり、悪が働き、人々は不安と恐れに怯えています。

 しかし、「光は暗闇の中に輝いている」と、ヨハネは言います。神が世界を創造されたとき、「地は混沌であって、闇が深淵の面に(創世記1章2節)」ありましたが、神が「光あれ」と言われると、「そこに光があった」のでした。

 この神の言葉、神の光が肉体をもって、わたしたちのところに来られたイエス・キリストなのです。そして、この光は「まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである」といわれます。

最近、捨て子であったある女性の話を読みました。自分は愛されなかったのだろうか、と自問自答する辛い時を経て、出生の場所をたどったとき、いかに多くの人たちの愛に支えられていたかを知るのです。この人は、最後に「だれも知らない所に置き去りにされることがあるでしょうか。いいえ、ひとりとして、そういうことはありません。おそらく、あのベツレヘムの赤ん坊は、わたしたちにそのことを知らせるために、お生まれになったに違いありません」 この幼子イエスを、わたしたちの命の光としていただくとき、わたしたちに本当のクリスマスが来るのです

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