荒れ野の誘惑

 

牧師 原田多恵子

マタイによる福音書4111

 

 主イエスは、洗礼を受けられた後、霊に導かれて、荒れ野に行かれました。40日間の断食の後、悪魔がやって来て、「神の子なら、これらの石がパンになるように命じたらどうだ」と誘惑しました。荒れ野の石は、褐色でパンによく似ているのです。パンは、わたしたちが生きていくとき、いつも第一の必要です。悪魔は「もし、メシアならば、この人々の必要に、まず答えるべきだ」と、唆したのです。

しかし、主は「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる(申命記8章3節)」と、答えられました。永遠の神の言葉によって、初めて、わたしたちは生きるのです。パンは、その手段にしか過ぎないのです。

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