第一に祈ること

牧師 原田 多恵子

 

マタイによる福音書6章5~10

マタイによる福音書では、主イエスがなさった山上で語られた説教で「だから、こう祈りなさい」と教えられました。ルカによる福音書では、主が祈っておられたときに、弟子たちが「わたしたちにも祈りを教えてください(11章1節)」と言って、主が教えられた祈りとして、書かれています。「主の祈り」は「主ご自身の祈り」であると共に「主の教えられた祈り」として、ここから由来しています。

 「主の祈り」で第一に祈ることは「父よ、御名が崇められますように」です。

これは、あなたの御名を聖なるものとして、褒めたたえ賛美させてください、という祈りです。多くの場合、わたしたちは、自分のことにかまけて、神さまに御名を正しく知ることを求めず、関心も払わないのです。ですからこの祈りによって、“あなたを正しく褒めたたえるものとならせてください”という、わたしたちの願いが込められるのです。

 このように祈るならば、次にわたしたちの日々の歩みによって、神さまの御名がけがされることがあってはならないでしょう。“わたしたちの思いや行動を清めていただいて、神さまの聖なる御名を称えるにふさわしい者としてください”という祈りでもあるのです。「父よ、御名が崇められますように」

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