神の国を求めよ

牧師 原田 史郎

 

マタイによる福音書6章27~34   

「主の祈り」の二番目の祈りは「み国を来たらせたまえ」です。主イエスは、山上の説教で「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい(マタイによる福

音書6章33節)」と語られました。「み国を来たらせる」とは、わたしたちが安全圏にいて、神の国を手許に引き寄せることではありません。それは、神の国を慕求め、切望し、そのために行動することなのです。                                

 

 「み国を来たらせたまえ」という祈りは、第一に「神さまがわたしたちを、御言葉と御霊によって治めてください」と祈ることです。人間は、何かしらに支配され、治められています。その最も大きなものは、罪と死の原則です。罪によって汚されている魂は、そこから諸々の悪と争いを生み出し、この世界に不幸と呪いを生じださせるのです。しかし、わたしたちが神さまの御言葉と御霊の支配を祈るとき、今までわたしたちを縛っていた悪い諸々の力から解放され、自由になるのです。そして、「ますます主に従う者となる」のです。

 次にこのような祈りは「神の国と神の御業に逆らって立つ全てに悪魔的な業、邪悪な企てを滅ぼしてください」という祈りでもあります。わたしたちが罪から救われるために、主イエスが十字架で血を流し、命を捨てるという大きな犠牲を払ってくださいました。この救いと恵みに応えて、キリスト者は、悪なるものと戦い、神の国の実現を祈り続けるのです。

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