慰めを伝える者

 牧師 原田 史郎

イザヤ書40章1~11節

 

「慰めよ、わたしの民を慰めよと、あなたたちの神は言われる」とイザヤは語ります。日本語で「慰め」の意味は「心をなごやかにさせ、気をまぎれさせる」とか「心にうるおいを与えたり、楽しませたりする」(『大辞林』)ことです。すなわち心が一時的であれ晴れ晴れするように、心が安んじるという内面的な状態を指しています。

しかし、ここのヘブル語「慰め(ナハーム)」は、一時の慰安ではなく、わたしたちに根本的な状況の変化をもたらす神の力なのです。絶望していた者が希望を見出し、闇にさ迷っていた者が光に進み始めるのです。救い主の誕生は、悲しんでいた者が喜ぶ者になる大きな慰めのときなのです。

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