マリアの賛歌

ルカによる福音書1章46~56節    牧師 原田 史郎

 

「マリアの賛歌」は、ラテン語の最初の言葉をとって「マニフィカート」(讃美歌21・176番)と呼ばれる有名な賛歌です。今朝の礼拝では、「わが心は」(175番)を歌いましたが、この讃美歌もマリアの賛歌で、アドベントで必ずといってよいほど歌われます。

 賛歌の前半(46から50節)は、マリアの喜びと感謝を歌い上げます。      「わたしの魂は主をあがめ、

わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます」

それは「身分の低い、この主のはしためにも

     目を留めてくださったからです」

 この「身分の低い」という言葉は、決して高貴な出身ではない一介の女でしかないということですが、同時にマリアの謙遜をも表しています。この「低さ」は、わたしたちが神さまのお言葉や導きをいただくとき、とても大切なことなのです。

 賛歌の後半(51から53節)は、マリア自身のことよりも、わたしたちに対する神さまの救いのみ業について語ります。

「主はその腕で力を振るい、思い上がる者を打ち散らし、・・身分の低い者を高く上げ、飢えた人を良い物で満たし」

 神さまの顧みと救いが、今まで顧みられなかった人々や無視されたひとびと、また悲しんでいる人々に与えられるのです。主イエスが「山上の説教」(マタイ5章3節以下)で語られたことが起こるのです。

最後(54、55節)にマリアは、神さまが約束を忘れず、実現してくださったことを賛美します。神さまの約束のお言葉は真実です。この新しい年も、主を信頼して、お言葉の光の下に歩みたいものです。

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