「来たれ聖霊よ」

(6月1日の説教から)

 牧師  原田史郎

使徒言行録1章3~11節

 

キリストは復活された後、40日にわたって使徒たちに現れました。そして、食事を共にしていたとき「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたもの(聖霊)を待ちなさい」と命じられました。「父の約束されたもの」とは聖霊が彼らに与えられることです。

 

 使徒たちは、聖霊が降ることを聞きますと、終末の到来と考え、イスラエルの国の再建はこの時ですかと尋ねました。するとキリストは「父が御自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなたがたの知るところではない」と、終末の到来を希望として残しつつ、なお彼らが生き、活動する時代がこれから始まることを明らかにされました。そこで、キリストが彼らに命じ、また約束されたことは「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる」ということでした。

 

 わたしたちがこの時代の流れに流されながら、またこの世の慣わしに従って生きるならば、危険や障害を回避する知恵はいるかも知れませんが、そのために特別な力は要りません。しかし、キリスト者として生きるとき、わたしたちはそこに特別の生きる力が必要であることに気付きます。そのような力は、ただ聖霊のみが、与えてくださるものなのです。

 

主の証人として選ばれたわたしたちに、キリストは聖霊の賜物をくださると、約束されました。聖霊が豊かに与えられるように、祈りつつ待ち望みましょう。

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