「聖霊が降った」

(6月8日の説教から)

牧師  原田史郎

使徒言行録2章1~13節

 

主イエスの復活50日後、「ペンテコステ」と呼ばれる五旬祭の日のことです。エルサレムの二階座敷で祈っていた弟子たち120人ほどの人々の上に、聖霊が降りました。聖霊は風、大きな音、火などの表象によって降り、弟子たちは「霊」に満たされて、神の言葉を力強く語り出しました。

聖霊が降るとき、神さまの大きな力が働きます。まず聖霊は、そこにいた人々を、神に立ち返らせ、イエス・キリストの名による洗礼を通して、しっかりと神に結びつけられました。わたしたちは、この世の世界での基準で、ものを見、考えて生きています。しかし、魂の問題や生死に関わる危機は、神さまと自分の縦の関係(スピリチャリチイ)がなければ本当に解決出来ないのです。聖霊は、罪によって忘れられ、絶縁している神さまとの関係を回復させ、結びつけてくださるのです。

さらに聖霊は、このことによって、失われ、バラバラになってしまったわたしたち相互の、人と人との関係を回復し、また新しい結びつきを造り出してくださいます。「こうして、主に救われる人々を日々に仲間に加え一つにされたのである」 聖霊の力が与えられるとき、新しい共同体として「教会」が形成されます。この日、聖霊によって、新約の教会が誕生したのです。

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