主の恵みの年を告げる

(1月25日の説教から)

牧師 原田多恵子 

ルカによる福音書4章16~24節 

 主イエスは、バプテスマのヨハネから洗礼を受け(3章21~22節)、

聖霊に満ちて荒れ野に行かれ、40日間悪魔の誘惑を受け、これに勝利されました(4章1~13節)。その後、ガリラヤに帰り、「諸会堂で教え、皆から尊敬を受けられ(14~15節)」ました。主の公生涯の始まりであり、神の国の宣教が開始されます。

 「イエスはお育ちになったナザレに来て、いつものとおり安息日に会堂に入り、聖書を朗読」されます。会堂での礼拝は、通常、「シェマー・イスラエル“聞け、イスラエル”(申命記6章4~9節)」から始まり、祈祷、律法と預言書の朗読、奨励または説教がされ、祝梼で終わります。主が読まれた預言書は、イザヤ書611節以下の、メシア到来の預言です。

そこでは、「貧しい人に福音を告げ知らせ」「捕らわれている人に解放」「見えない人に視力の回復を告げ」「圧迫されている人を自由にする」ヨベルの年といわれる「主の恵みの年」の到来をつげる預言が語られています。

 人々の目が主に注がれたとき、主イエスは「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と言われました。

 ヨルダン川で洗礼を受けたとき、天からのメシアとしての認証は、ナザレの会堂で、主ご自身の口によって、宣言されたのです。

 今、世界は、経済、政治、いのち、などがあらゆるところで閉塞し、わたしたちは不調和と格差などによって縛られています。しかし今、その縛りと圧迫が大きければ大きい程、イエス・キリストによる「主の恵みの年」が、わたしたちの現実の中に到来したのだと、主は宣言されたのです。主イエスに信頼し、歩みを続けましょう。

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