栄光に輝くキリスト

(3月15日の説教から)

牧師 原田 多恵子

ルカによる福音書9章28~36節   

 主イエスがメシアであるとの顕現は、ペトロのメシア告白に続く、山上の変貌によって更に明らかにされます。「祈るために山に登られた主」は、かつてモーゼがホレブの山に上り、神から十戒を授かり、「神とイスラエルの契約(旧約)」が発効したことを想起させます。今、モーセに代わる「新しい契約(新約)」のときが近づいているのです。また、山上で「イエスの顔の様子が変わり、服は真っ白に輝いた」有様は、到来するメシアを現わす人の子の幻(ダニエル書713節)のようであります。 

そして、この「栄光に輝くイエス」の姿は、また、旧約聖書を代表するモーセ(律法)とエリヤ(預言書)と「エルサレムで遂げようとしておられる最期」について話されたことによって、「受難の僕としてのメシア」であることが、明らかにされます。受難という苦しみを通して、救いと栄光を現わされるのです。

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