「救いの計画、現わされ」

12月4日(日)の説教から)

牧師 原田史郎

ローマの信徒への手紙16章25~27節

 「この福音は、世々にわたって隠されていた、秘められた計画を啓示するものです」 福音を表すこの「秘められた計画(ミステリオーン)」は、長い時代、神の沈黙の中にありました。

 しかし「その(救いの)計画は今や現わされ」た、と使徒パウロは言います。キリストの十字架と復活という、人間が思いもつかない神秘は、わたしたちの救いのための、「恵みの業(イザヤ書59章16~17節)」であったのです。そして「預言者たちの書きものを通して、信仰による従順に導くため、すべての異邦人に知られるように」なりました。旧約聖書の預言者たちが語った言葉が、今、キリストを明らかにし、救いの神の言葉としてわたしたちに響いて来るのです。

長い時代、厚い覆いが光を隠していました。人間はそこからわずかに洩れ出るほのかな光を頼りに神を求め、真理の道を尋ね求めて来ました。しかし今や、覆いは取り払われ、大いなる光があまねく四界を照らし、神の救いの計画が明らかにされたのです。それ故、わたしたちは「この知恵ある唯一の神に、イエス・キリストを通して栄光が世々限りなくありますように」と神を賛美するのです。

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