「奇跡を行うキリスト」

2月26日(日)

牧師 原田 史郎

マタイによる福音書14章22~36節

 

湖の上を歩いてこられるイエスを見たペテロは「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください」と願いました。主が「来なさい」と言われたので、彼は、水の上を歩いて主に向かって進みます。「しかし、強い風に気がついて怖くなり、沈みかけたので、『主よ、助けてください』」と叫びました。ここには、そこが水の上であろうと愛する主の許に近づく勇気に満ちたペテロと、風に怯える臆病なペテロの姿の二つがあります。それはまた、わたしたちの姿でもありましょう。信仰に満ち、感謝するときもあれば、何ごとかが起こり事態が悪化すると、一転して愚痴と嘆きがわたしたちの口から漏れ出て来るのです。

 しかし「イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、『信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか』と言われた」のでした。「信仰が薄い」ということは、主への信頼よりも、自分の知恵や力に頼ることです。悪魔や悪霊が惹き起す、逆風の嵐は、わたしたちの力で鎮めることは出来ません。この逆風を収め、鎮めることが出来るのは「本当に、あなたは神の子です」と告白される主イエス・キリストご自身だけなのです。失敗ばかりするわたしたちですが「主よ、助けてください」と祈りつつ、確りと掴んでくださる主と共に歩むのです。

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