癒してくださる主

2月7日の説教

梁在哲牧師

 

列王記下5章14節~19a   マタイによる福音書15章21~31節

イエスはユダヤ人から排斥され、ガリラヤを離れ、異邦人の町に退かれた(マタイ15:21)。すると、その地に生まれたカナンの女が出て来て「主よ、ダビデの子よ、わたしを憐れんでください。娘が悪霊にひどく苦しめられています」と叫んだ(22節)。しかしイエスは、何もお答えにならなかった(23節)。ユダヤ人の不信仰と異邦人の女の態度のゆえに複雑な心境だったかも知れない。イエスと弟子たちが見せた冷たい態度にもかかわらず、彼女は、イエスにもっと近づき、ひれ伏して切実に叫んだ(25節)。ところが、心の奥底を見抜いておられるイエスのお答えは、ヘイトスピーチのように聞こえるほど冷淡なものであった(26節)。しかし、彼女は食卓の下でパンくずを食う小犬になぞらえて自らの信仰を告白し、忍耐強くイエスに訴えた(27節)。イエスは彼女の願いに次から次へ沈黙され、冷たい反応を見せられたが、ついに娘を癒してくださり、彼女の信仰を褒められた(28節)。

彼女と百人隊長の二人とも、遠く離れていても病気を癒してくださる主イエスの御力を信じたゆえに、主イエスに褒められた。ヤコブがヤボク川で神と顔と顔を合わせて夜が明けるまで格闘した末に得られた祝福を、彼女もイエスと顔と顔を合わせた末に得られた(創世記32:27)。その後、イエスは、ガリラヤ湖に戻られ、大勢の人々が病人を連れて来て、ご自分の足もとに橫たえたので、人々をいやされた(29~30節)。彼らはガリラヤ湖の東側の異邦人であったのでイエスのことを知らなかった。しかし、彼らは奇跡のしるしを見て驚き、イスラエルの神を賛美し(31節)、預言者の預言は実現された(イザヤ35:5~6)。主イエスは今も傷つけられ、癒しの御手を求めている人々を癒してくださる。わたしたちは、父なる神が御子イエスの十字架の血潮の功によって全ての病を癒してくださるゆえに、聖霊の御助けを求めつつ、人々を主イエスのみもとに連れて来ることが出来るように切に願う。

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