5月のメッセージ「聖餐の恵み」

202251

南房教会牧師 梁 在哲(ヤン ジェチョル)

 

ヨハネによる福音書10章14~15節

「わたしは良い羊飼いである。わたしは自分の羊を知っており、羊もわたしを知っている。それは、父がわたしを知っておられ、わたしが父を知っているのと同じである。わたしは羊のために命を捨てる」(ヨハネ10:14~15)。

私どもの南房教会は、3年前コロナが発生した最初の段階において様々な感染防止対策を講ずる上で、先ず、聖餐と愛餐会を中止することにした。幸いに、個別包装された聖餐のパンと葡萄液が普給され、昨年度は年9回、今年度から毎月年12回聖餐の恵みにあずかるようになった。主日礼拝毎に当たり前のように執り行われていた聖礼典と交わりが、突然中止となり、戸惑いや不安を覚える一方、改めて聖餐の恵みに気づくようになったと思われる。

当然のことながら我々は、コロナ禍の中で先ず、主日礼拝において執り行われる聖餐の恵みに改めて気づくようになった。心を一つにして神を拝み、褒め称える主日礼拝毎に我々は、御言葉の解き明かしを通して復活の主に出会い、聖餐の恵みにあずかることを許されて来たからである。パンと葡萄酒を分かち合う時、私たちのために流されたキリストの血潮と裂かれたキリストの体を覚え、キリストの愛と礼拝に感謝し、主が再び来られる日を待ち望むことを許されたからである。

その一方、我々は、突然、コロナという災難に見舞われた日常においても改めて聖餐の恵みに気づくようになったと思われる。何故ならば、今まで当たり前のように思われたことが、決して当たり前のものではなくなり、平穏な日常が奪われたコロナ禍の中で、良い羊飼いでおられる主は、以前よりもっと深い交わりを我々に願っておられたと思うからである。何の変哲のない平穏な日常の中でコロナという災難がもたらした突然の変化は、我々にとって以前よりもっと深い主との交わりの囲いに入る羊の門になったのではなかろうか(ヨハネ10:7)。

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