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美しき邂逅 2009年12月13日 説教 原田 多恵子 牧師 ルカによる福音書１章３９～５６節 受胎告知を受けたマリアは､ガブリエルの言葉に逡巡した後､聖霊によってその言葉を信じすぐに行動に移ります｡それは｢あなたの親類エリザベトも､年をとっているが、男の子を身ごもっている｡不妊の女と言われていたのに､もう六ヶ月になっている。神にできないことは何一つない｡｣(I:36,37) これを聞いてマリアはガリラヤのナザレを発ち３日位かけて､ユダの山肌(エンカレム)のエリサベトを訪問しました｡ここには現在｢訪問教会｣という立派な教会があり､後に語るマグニフィカート(マリアの賛歌)が50ヵ国語で掲げられています。 マリアの声を聞くと､エリザベトは｢すぐに胎内の子(後のヨハネ)が喜んでおどりました｡｣と声高らかに言います。｢主が仰ったことは必ず実現すると信じた方は､なんと幸いでしょう｡｣と祝福します｡ここに美しい邂逅があります。 これに応答してマリアは｢わたしの魂は主をあがめ､わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます｡｣とこれ又､声高らかに神をほめたたえ始め、三つの革命を語ります。｢神は思い上がるものを打ち散らされる道徳的な革命｣｢権力あるものをその座から引き下ろし､身分の低いものを高く上げる社会的な革命｣｢飢えた人を良いもので満たし、富める者を空腹のまま追い返される経済的革命｣の三つです。最後に神は､アブラハムの子孫に憐れみを忘れられない､と結びます。 このような言葉を寒村のうら若い乙女が口にのせるのは、聖霊のお働きに他なりません。「信ずる者は幸いなり」 この世界は混乱していますが､神が働いておられるみ業が成就することを祈ります。マリアは、三か月エリザベトのところに滞在し､信仰を高めつつ、来るべき出産に備えました｡神さまは､その救いの実現に二人の女性を用いられたのです。 |