キリストによる平和

2010年8月15日

説教 原田 史郎牧師

 コロサイ3章15節

 8月15日は、日本が15年の長い戦争に負けて、戦争が終わった日です。言いかえれば、やっと、平和が訪れた日でもあります。しかし、このために、日本人だけでも340万人とも、350万人とも云われる人々が死にました。まして、アメリカをはじめ、お隣の中国や韓国、北朝鮮、フィリピン、その他アジアの人々がどれ程多く死んだのか分かりません。

 戦争が終わって、平和になったように見えますが、今なお、世界では、戦争や局地紛争、内乱など戦火の収まる気配はありません。

 

 8月になると、わたしは、小さい子どもたちに、『かわいそうな ぞう』という、実際に上野動物園であったお話をします。(この実話は、小学生の教科書に載っているそうです)

 爆弾が落ちて、猛獣が逃げ出してはいけないということで、ライオンやクマなどの猛獣たちは、毒入りの餌を食べさせられて殺されました。最後に、3頭のみんなに愛されていた象が残りました。まず、ジョンが食べ物を与えられないで、餓死します。続いて、ワンリーとトンキーも水も餌も一切与えられません。賢い象は、毒入りの餌を食べないので、飢え死にさせるのです。お腹の空いたワンリーとトンキーは、がりがりにやせ細った体をくっつけあって、一生懸命に芸当をして、餌をねだりました。やがて、2頭の象は、餓死しました。

胃袋の中に一滴の水分も無かったそうです。飼育係の人たちは、空に向かって、「戦争をやめろ。戦争をやめてくれ。」とこぶしを振り上げて叫びました。その空には、爆弾を一杯積んだ敵の爆撃機が飛んでいきます。

 

 キリストの平和が、わたしたちみんなの心を支配し、私たちの世界に、1日も早く平和が訪れるように祈りましょう。

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