神が人間になるときは

牧師 原田史郎

マタイ福音書1章18~24節、 

キリスト者の信仰告白である使徒信条は、イエス・キリストについて、四つの内容を告白しています。すなわち誕生、十字架、復活、昇天と最後の審判の四つです。そして最初にくるのが「主は聖霊によりてやどり処女(おとめ)マリヤより生まれ」という告白です。

イエスが処女マリア(新共同訳の表記)から生まれたことを報告しているのはマタイ福音書1章です。婚約前にマリアが身ごもったので、夫ヨセフは悩みますが、天使が夢で「恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである」と告げました。このところが現代人には、躓きになると共に、過去2千年論争の種にもなってきました。しかし教会は、このことが科学的に正しいかどうかではなく、聖書がこのように語っている事実を受け入れてきました。何故ならば、このイエスの超自然的な誕生は「栄光」と「恵みと真理とに満ちていた(ヨハネ福音書1章14節)」という驚くべき恵みが含まれているからです。

人の子は、親の意思によって生まれます。しかしイエスは、人間の親によるのではなく神の意思によって誕生されたのです。

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