ゲッセマネで祈る

 

牧師  原田多恵子

マルコによる福音書14章32~42節

 最後の晩餐の後、主イエスは、ペテロたち三人を伴われてゲッセマネ(油しぼりの意味)の園に行かれました。そして弟子たちと少し離れたところで、地面にひれ伏して祈られます。「アッバ、父よ、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしが願うことではなく、御心に適うことが行われますように」「神の子」でありたもう主は、ここで「人の子」として、人間が罪のために負う死の意味とその苦しみに正面から向き合われます(ヘブル2章17、18)。

戻ってこられた主は、弟子たちが眠っているのをご覧になり、「誘惑に陥らないよう、目を覚まして祈っていなさい」と言われました。そして三度祈られ「もうこれでいい。時が来た」と立ち上がられます。十字架の時が来たのです。

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