「キリストの愛を知る」

 (5月11日の説教から)

  牧師  原田多恵子

エフェソの信徒への手紙3章14~21節

 

  パウロは、エフェソ教会の信徒たちが、神の霊によって「あなたがたの内なる人を強めて」くださるようにと祈ります。「内なる人」は、「外なる人」と対照的に内面的な理性、良心、意思などを意味します。この「内なる人」が強められて「心の内にキリストを住まわせ」ることが、教会にあるわたしたちに許されているのです。この「内住のキリスト」によって、わたしたちは「愛に根ざし(植物用語)」「愛にしっかりと立つ(建築用語)」のです。根ざすことも、立つことも、基礎的なことで、この土台の上にキリスト者の生涯があり、そこに花が咲き、建築物が建てられます。

さらにまた使徒は「キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解」することを祈ります。この表現の「広さ」はすべての民に、「長さ」は十字架を受け入れるほどの従順を、「高さ」は天にあって執り成したまい、「深さ」は死を経験し黄泉(よみ)にまで下られたことなど、十字架を示すものともいわれます。この十字架を知ることによって「人の知識をはるかに越える愛」を知り「神の豊かさのすべてにあずかり、それによって満たされる」という道が開かれるのです。

内に住みたもうキリストによって、愛に生きることを祈りましょう。

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