「騒ぐな、まだ生きている」

(7月5日の説教から)

牧師 原田 史郎

使徒言行録20章7~12節

 パウロの長い話に、つい眠りこけて三階から下におちた青年エウティコは、息をしていなかったようです。「起こしてみると、もう死んでいた」と医者のルカは書いています。

しかし、パウロは、彼の上にかがみこんで抱きかかえて言いました。「騒ぐな。まだ生きている」 パウロの宣教は、いつも死に囲まれていました。ユダヤ人の迫害、騒動、入獄など、苦難と試練の連続でした。しかし、どんなに迫害されても「死にかかっているようで、このように生きており(コリント信徒への手紙ニ 6章9節)」と、神に生かされていることを告白しています。わたしたちの周りも、少子高齢化、人口減など、教会や市町村の存立の危機が語られています。わたしたち個人にも、心騒がせるものが何かあるでしょうか。しかし、どんな状況でも「騒ぐな。まだ生きている」という、神によって生かされる希望があるのです。

前回 目次へ 次回