(十戒講解その5)「親を敬う人は長寿を得る」

(9月6日の説教から)

牧師 原田 史郎

 

出エジプト記20章1~12節

 

5番目の戒めは「あなたの父母を敬え」です。ここから続く、後半の六つの戒めは、わたしたちが隣人に対して負うべき事柄について語ります。

その筆頭に、一番大切な戒めとして挙げられるのがこの「両親を敬え」という戒めです。

 何故、両親を敬うことが「殺すな」「盗むな」などに先行して、一番先に来るのでしょうか。それは、およそこの世にある人間関係の中で、親子の関係こそが人間の基本的な関係であり、また出発点であるからです。

 この「父母を敬え」という戒めは、プロテスタント教会では、わたしたちの目上の人々に対する敬愛をも含むものと解釈されてきました。わたしたちが今日あるのは、自分の努力があったとしても、わたしたちを生み、養い、育ててくれた両親をはじめ、周りにいる多くの人々の助けと教えによって、今のわたしがいるからです。

 だが、人間である親は、ときには誤りを犯し、失敗することがあります。そのとき、彼らを責めるのではなく、その誤りに対して忍耐をもって忍ぶことも求められます。後年、ノアが酒に酔って裸になり醜態をさらしたとき、「セムとヤフェトは着物を取って自分たちの肩に掛け、後ろ向きに歩いて行き、父の裸を覆った(創世記9章23節)」のでした。

 そして、この戒めには、「そうすればあなたは、あなたの神、主が与えられた土地に長く生きることができる」という祝福が約束されているのです。

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