洗礼の恵み

原田 史郎 牧師

ヨハネによる福音書1章29~34節

 ヨルダン川で、悔い改めの洗礼を授けるヨハネのもとに、多くの人々がやって来て、洗礼を受けました。しかし、その洗礼活動の中で、彼はイエスにだけ、特別なことを見て「わたしは、“霊”が鳩のように天から降って、この方の上にとどまるのを見た」と言いました。それは、神が「“霊”が降って、ある人にとどまるのを見たら、その人が、聖霊によって洗礼を授ける人である」と言われたことが実現したのです。

 教会が守っている洗礼は「イエス・キリストの名による洗礼」といわれます。洗礼によって、わたしたちはキリストの霊を頂き、主に結びつくのです。主イエスは弟子たちに「この霊があなたがたと共におり、これからも、あなたがたの内にいるからである(1417節)」と言われました。

 聖霊がわたしたちのうちにいますなら、その霊はわたしたちの罪を潔め、神の愛でわたしたちの心を満たしてくださいます。

 バビロン捕囚に疲れていた人々に、イザヤは「その(地の)上に住む人々に息を与え/そこを歩く者に霊を与えられる(イザヤ書42章5節)」と預言しました。洗礼によってわたしたちの内に住みたもう聖霊は、疲れた者に希望と新しい思いと志を与えられるのです。誰もがこの洗礼に招かれているのです。そして、幸いにも選ばれて、この洗礼に与っている者の恵みは尽きることがありません。

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