キリストのひと言

5月26日

牧師 梁 在哲

ルカによる福音書7章1~10節

 主イエスがカファルナウムへお戻りになったある日、ユダヤの長老たちが百人隊長の願いを携えてやって来た。百人隊長は自分の部下が病気のため危篤状態になっているのでユダヤの長老たちを使いに送って主イエスに助けに来てくださるように願っていた。ユダヤの長老たちの熱心な願いをお聴きになった主イエスは、彼らと一緒にお出かけになった(4~6節)。

 ところが、百人隊長の家の近い所まで来られた時、別の使いが主イエスのもとにやって来て「主よ、御足労には及びません。私はあなたを自分の屋根の下にお迎え出来るような者ではありません。ですから私の方からお伺いするのさえ相応しくないと思います。一言おっしゃって下さい。そして私の僕を癒して下さい」(6~7節)、と伝えた。それは主イエスのお言葉の権威への信頼と従順に満ちた百人隊長の願いであった。

 百人隊長の言葉と振る舞いは上からの聖霊のお働きによって響いて聞こえて来るものではないだろうか。主イエスの御言葉は、力と権威をもって私たちの側にいてくださることを信じる信仰によってのみ聞えて来るものではないだろうか。ついにこの百人隊長の伝言をお聴きになった主イエはこう言われた。「言っておくがイスラエルの中でさえ私はこれ程の信仰を見た事がない」、と(9節)。

主イエスは復活され、天に昇られた後、聖霊に満たされた御言葉をお与えになったゆえに私たちは何も見えないけれども、上からの聖霊の御助けによって主イエスの御言葉は今も生きておられることを信じるようになるのである。私たちは折を得ても得なくても「一言おっしゃってください、ただお言葉ください」と、信仰の御言葉を語りつつ、主イエスの御言葉の力と権威に励まされ、与えられている信仰の道を歩んで行く者であり続けたいと願うのである。

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