宣教への派遣

7月 3日の説教

梁在哲牧師

 

アモス書7章10 ~15節      使徒言行録13章1~12節

使徒言行録には、聖霊に告げられた教会が伝道者を送り出し、聖霊に満たされた彼らが福音を宣べ伝え、悪霊を追い払う聖霊の働きに満ち溢れている。神の御救いの業が聖霊の働きによってユダヤ人社会にとどまらず、異邦人世界の全てに及ぶことを力強く伝えているゆえに聖霊行伝とも呼ばれる。シリアのアンティオキア教会は、人種・階級・身分を超えて宣教への志を一つにして、断食・祈り・按手をもってパウロとバルナバ一行を派遣し、偉大な宣教の歴史を築き上げ成就した。(使徒13:1~3節)。それは個人の使命感や努力だけではなく、教会をあげて積み重ねられた献身的な教会の業であった。神の御前で聖別され、異邦人のために遣わされる使徒としての自覚をもっていたパウロ一行の最初の宣教地は、キプロス島であった。一行は、ユダヤ人の諸会堂で神の言葉を告げ知らせ、賢明な地方総督は、パウロとバルナバを招いて、神の言葉を 聞こうとした(4~7節)。

しかし、魔術師は、パウロとバルナバに対抗して、総督をこの信仰から遠ざけようとした。そこでパウロは、聖霊に満たされ、神の裁きの御手が魔術師の上に下り、目が見えなくなると厳しく告げた。総督はこの出来事を見て、主の教えに非常に驚き、信仰に入った(8~12節)。魔術師の目が見えなくなったその時、総督の信仰の目が開かれた。総督の驚きは、今まで自分の考えや生きがいとしていたことがひっくり返されるほど仰天し、驚嘆するような(Amazing)出来事が身の上に起る経験であった。「讃美歌21‐451番、くすしきみ恵み(Amazing Grace)」の歌詞は、まさにその信仰の驚きと恵みをよく表している。わたしたちも主日礼拝毎に主の御言葉によって罪を赦される恵みにあずかる。わたしたちは、煩わしい肉の思いのような世の糧を断食し、教会より祈られ、祝祷をもって按手され、世に派遣される者として聖霊に励まされ、主イエスの十字架と復活の勝利をあまねく語り伝えたいと願う。

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