宗教改革のもたらすもの

20091025日 説教 原田 多恵子 牧師

 ペテロの手紙I 3章13~22節

 

 教団の教会暦では、上記の聖書個所ですが、本日は14~16a節までを中心に見ていきたいと思います。

 「義のために苦しみを受けるのであれば幸いです。人々を恐れたり、心を乱したりしてはいけません。心の中でキリストを主とあがめなさい。あなたがたの抱いている希望について説明を要求する人には、いつでも弁明できるように備えていなさい。」を中心に話します。

 1517年10月末日ドイツのヴィッテンベルグ城教会の扉に、マルチン・ルターが、九五箇条の提題を貼り付けたことが口火になって、宗教改革が始まりました。この当時、ローマの聖ペテロ大聖堂建設費用の調達のために、贖宥状が発行され、「罪の償い」を果たせずに心の重荷としている信徒のため、金銭によって償いが免除されることを目的に、「贖宥状」を売っていました。ルターは、罪の赦しと死の恐怖からの解放は、人間の行為・功績によるのでなく、主イエスの贖いの業によってのみなされることを聖書を学ぶことによって体験しました。それで広く民衆が聖書を読めるように、当時ワルトブルグ城にかくまわれている間に、新約聖書をドイツ語に翻訳しました。

 1532年、フランスの人文主義者ジャン・カルバンが宗教改革者に回心しました。彼は、ジュネーブで市議会を相手に宗教改革を進め、後の長老派・改革派と呼ばれる教会の基礎を造りました。今年は彼の生誕500年にあたります。この流れの中で、ジョン・ノックスは、スコットランドで宗教改革を進めました。

 わたくしは吉祥寺教会の竹森満佐一牧師に学びましたが、先生はスコットランドの宗教改革にならい、カルバン路線を引き継ぎ、礼拝を第一とする教会を50年間の牧会によって形成されました。宗教改革者たちは、聖書から光を受けて、ただイエスキリストを信じる信仰によってのみ、救われることを説き、教皇主義や市議会と闘いました。

 わたしたちも、与えられたこの信仰を、受け継ぎつつ、キリストを証しするものとなりましょう。

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