救いの約束

2011年11月13日

牧師 原田 史郎

出エジプト記2章1~10節

この箇所は、モーセの出生物語です。モーセは、奴隷であったイスラエルの民を、エジプトから脱出させ、自由へと導いた指導者です。脱出後、民は40年間荒野を彷徨いますが、モーセはシナイ山で神さまの啓示を受け、十戒を中心とする律法を教え、神の民としての道徳的基礎を与えて、イスラエル民族の特性を形成しました。

ファラオは、増え続けるイスラエルの民を恐れて、生まれた男の子をナイル川に放りこめ、という命令を出しました。このために、隠しきれなくなった両親は、赤子をナイルの葦の茂みの間に置きました。そこへファラオの王女が水浴びをしようと川に降りてきて、この赤子を見付けます。そして、乳母に託したその子が大きくなったとき引き取ります。王女は、「水の中からわたしが引き上げた(マーシヤー)のですから。」とその子を「モーセ」と名付けました。

「マーシャー」はヘブル語で「引き出す」という意味です。そして、この名前の由来は、やがてモーセを通して、神さまが奴隷の民を、その苦難から引き出すことを預言しているのです。神さまの救いのみ業は、わたしたちの苦しみや困難のまっただ中に起こされます。ファラオの命によって、赤子の命を奪うべきナイル川は、・神さまの不思議な導刺こよって、赤子を救う川となり、ヽ奴隷の捨て子から一転して、男の子を王宮に王子としたのです。

わたしたちの生涯にも、イエス・キリストによづて、この神さまの敷いと導きが与えられています4神さまの遠大なご計画の中1に置かれているのです。

 

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