聖霊の賜物

牧師 原田 史郎

使徒言行録2章1~11節

 

 「五旬祭(ペンテコステ)の日が来て、一同が一つになって集まっている」

と、「突然、激しい風の吹いてくる音、炎のような舌が分かれて一人一人の上にとどまり」ました。これが新約の教会の誕生といわれる、聖霊が降ったときの様子です。聖霊は、風、火、の二つの表象を持って現れました。

 「すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、他の国々の言葉」で話し出したのです。このとき、エルサレムには、北東のパルテアから北西のカパドキヤ、南西のエジプト、そして遠いローマからも離散していたユダヤ人たちが集まっていました。彼らは、弟子たちが自分たちの故郷の言葉で、「神の偉大な業について語っている」ことに驚き、とまどいました。

 聖霊が降るとき、バベルの塔以来、意志の疎通を欠いていた人間の言葉が、人を神に結びつけ、人と人とを結びつける言葉になったのです。

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