「古い生き方から新しい生き方へ」

 (7月27日の説教から)

牧師  原田多恵子

エフェソの信徒への手紙4章17~5章5節

この手紙の著者が、ここで明らかにしている対比に目を留めましょう。「かつては~であったが、今は~である」という大きな変化であり、「~を脱ぎ捨て、~を身に着けた」という転換です。

わたしたちは、かつては真の神を知らない異邦人のように歩んでいました。その歩みは、無知と心のかたくなさのために、神の命から遠く離れているものでした。そして無感覚になって放縦とふしだらな行いの人でした。

  しかし今や、わたしたちは、古い人を脱ぎ捨て、神にかたどって造られた、キリストに結ばれて教えられた新しい人を身に着け、正しい清い生活に歩む者に変えられました。

そこで著者は、わたしたちが具体的に歩むための道しるべとして、以下の道徳的な項目を上げています(4章25節~5章5節)。

  怒ることがあっても罪を犯してはならない。盗みを働くのではなく、自分の手で働き、困っている人を助けるようにしなさい。悪い言葉を一切口にしないで、聞く人に恵みが与えられるように語りなさい。無慈悲、憤り、怒り、わめき、そしりなど全てを一切の悪意と一緒に捨てなさい。

  互いに親切にし、憐れみの心で接しキリストが赦してくださったように赦し合いなさい。愚かな話や、下品な冗談を避け、むしろ感謝を表しなさいなどです。

  この具体的な道徳項目は、わたしたち異邦人が、滅びへの道からキリストによって、新しい人として、命の道に歩む者と変えられたことを表わしています。わたしたちが、生活の中で気を付け、心すべき事柄が教えられているのです。

  先日、マルチン・ルサー・キング牧師の伝記をあらためて読みましたが、彼の生涯に、この新しい人の歩みをみる思いでした。「新しい生き方」に召されていることに感謝し、この証しの生活が全うできますように。

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