「平和を実現する人となりなさい」

 (8月17日の説教から)

 牧師  原田史郎

 マタイによる福音書5章1~12節

 

主イエスは、山上の説教で「心の貧しい人は、幸いである」から始まる 八つの幸いから語り始められました。「平和を実現する人は、幸いである」 は、七番目です。平和は、自然に、なんとなく出てくるものではありません。平和は「実現する」「つくり出す」ことがなければ、到来しないのです。今、パレスチナ、イラクやシリア、ウクライナ等、各地で紛争が起こっています。そういうところで、求められるのは、平和を実現するための、強い意志です。

 でも、平和を実現することは、容易なことではありません。それは、争いのある所に不信があり、それが憎しみと敵意になっているからです。

そこで山上の説教の前半が、意味を持ってきます。前半は、社会の競争から脱落したような人々に語りかけられています。たとえば冒頭の、貧しい人には、力がありません。社会的にも地位は低く、いつも圧迫され搾取されているのです。彼らにとって、人からも社会からも疎外されている状態で、心から信頼し、依り頼むお方は、神さましかおられません。

「あなたは貧しい民を救い上げ、高くを見る目を引き下ろされる(詩編18編28節)」とあるように、神の保護と祝福は、このような人々にあると、信じられて来ました。わたしたちが、このように神に依り頼み、神の赦しと憐れみの心を受け、そこに歩むとき、平和の実現へと促されるのです。

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