「天から光を受けるとき」

(6月28日の説教から)

牧師 原田 多恵子

 使徒言行録9章1~19a節

 初めの教会は、ペトロを中心とする使徒、ステパノやフィリポなどの執事たちによって、キリストの福音が伝えられました。使徒言行録9章に入りますと、今までの系譜と全く異質な、一人の熱心なユダヤ教徒が登場してきます。サウロ(ヘブル名)と呼ばれるその人は「主の弟子たちを脅迫し、殺そうと意気込んで」いました。ところが、彼が「ダマスコに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周りを照らした」のです。地に倒れた彼に「サウル、サウル(父祖サウル王の名を継承)、なぜ、わたしを迫害するのか」という声が聞こえてきました。「主よ、あなたはどなたですか」と尋ねると「わたしは、あなたが迫害しているイエスである」という答えが返ってきます。地に倒れ目が見えなくなったサウロは、その後、ダマスコのアナニアのもとに導かれ、主の選びを知り洗礼を受けました。

 この人が後のパウロ(サウロのラテン・ローマ名)であり、地中海世界全域にキリストの福音を広めた使徒となりました。モーセやエレミヤも、自ら主の預言者としての道を選びとったのではありませんでした。神の選びが、彼らをその使命へと強く促したのでした。主は、サウロを「あの者は、わたしの名を伝えるために、わたしが選んだ器である。わたしの名のためにどんなに苦しまなくてはならないかを、わたしは彼に示そう」と言われました。

わたしたちは、パウロのような特別な使徒ではありませんが、神の選びという「天からの光」によって、主を証しするキリスト者として招かれているのです。

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