キリストは復活された

原田 史郎牧師

マタイによる福音書28章1~10節

「週の初めの日の明け方に、マグダラのマリアともう一人のマリアが墓を見に行った」そのとき、地震が起き、墓の入り口を塞いでいた石が転がされ、その上に天使が降りて来て座りました。この光景に、番兵も婦人たちも驚き、困惑し、震えあがります。すると天使は「恐れることはない。あの方はここ(墓)にはおられない。かねて言われていたとおり、復活なさったのだ」と告げました。

 キリストが復活なさったということは、アダムの罪以来、この世界にに入って来た死の鎖と壁が、破られたということです。かつて、ベルリンの壁が打ち破られとき、そこから東の監視社会から西の自由世界へ道が開かれたように、人間を囲んでいる死の壁は、その力を失ったのです。

 エジプトを脱出したイスラエルの背後にファラオの軍団が迫っていました。前は、葦の海に阻まれ、対岸に渡ることが出来ません。恐怖の中で騒ぎ立つ人々にモーセが言いました。「恐れてはならない。今日、あなたたちのために行われる主の救いをみなさい(出エジプト記14章13節)」死と滅びに囲まれていたイスラエルを救われたように、神はキリストの復活によって、死を破り、わたしたちに勝利を賜ったのです。

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