憐れみ深い主の眼差し

3月3日

牧師 梁 在哲

ルカよる福音書9章10~17節

主イエスは弟子たちを連れ、自分たちだけでベトサイダという町に退かれた。しかし、「群衆はそのことを知ってイエスの後を追った。イエスはこの人々を迎え、神の国について語り、治療の必要な人々を癒しておられた」(11節)。主イエスは飼い主のいない羊のような有様を深く憐れまれて大勢の人々を迎えられた。五つのパンと二匹の魚の奇跡の出来事は、人々を真心から迎え入れる主イエスの憐れみ深い眼差しからはじまった。主イエスは大勢の人々を「ご自分の御名のために子ども一人を受け入れる」(マルコ9:37)ように、また石を投げつけられて「主イエスよ、わたしの霊をお受けください」(使徒7:59)、と呼びかけるステファノを受け入れるように彼らを迎え入れてくださったのである。

主イエスは弟子たちに「人々を50人ぐらいずつ組みにして座らせなさい」(14節)、と命じられることによって途方に暮れていた大勢の人々に順序正しい秩序あるご自分の食卓を整えてくださり、彼らを食卓の仲間として束ねてくださった。そして主イエスは全ての人が食べて満腹した後、残った12籠のパン屑を弟子たちに託してくださった。主イエスより弟子たちに託された12籠は、また私たちにも託されているものである。「五つのパンと二匹の魚」の奇跡の出来事を通して主イエスご自身用意してくださった信仰告白-「神からのメシアです」(20節)。‐ のゆえに私たちは主の十字架とご復活を証し、宣べ伝えることを託されているのである。

前回 目次へ 次回