主に召された漁師たち

1月15日の説教

梁在哲牧師

 

出エジプト記18章13~27節  ルカによる福音書5章1~11節

 主イエスがゲネサレト湖畔に立っておられると、神の言葉を聞こうとして、群衆がその周りに押し寄せて来た。そこでイエスは、岸辺で網の手入れをしていたシモン・ペトロの持ち舟に乗り、腰を下ろして船から群衆に教え始められた(ルカ5:1~3)。お話が終わった後、イエスはシモンに漁をしなさい、と命じられたが、彼は「先生、わたしたちは夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。しかし、お言葉ですから網を降ろしてみましょう」(4~5)と答えて網を下ろすと、おびただしい魚がかかり、網が破れそうになった程大魚をもたらした。それを見て、シモン・ペトロはイエスの足もとにひれ伏して、「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者なのです」(:)と言った。シモン・ペトロが感じたその驚きと畏れは、シモンの仲間、ゼベダイの子ヤコブもヨハネも同様だった。すると、イエスはシモンに「恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる」(:10)と言われた。モーセは、自分の舅(しゅうと)で、ミデネアンの祭司であるエ卜ロに言われた通り、負担を軽くするため補助者を立てて、働きを分担させた(出エジプト18:18)

ガリラヤ伝道を始められた主イエスは、ゲネサレト湖畔で漁師をしていたシモン・ペトロとゼベダイの子ヤコブとヨハネの3名を自分の働きを助ける弟子としてお召しになった。後にシモン・ペトロは、ヤッフアで見た幻を通して聖霊から「神が清めた物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない(使徒11:)」と語りかけられた。シモン・ぺ卜口は、ガリラヤで主イエスに召された最初の時と同じように聖霊に語りかけられ、異邦人への伝道に励むようになった。使徒パウロも夢でマケドニア人から、「海を渡って私たちを助けてください」(使徒16)と言われ、ヨーロッパのマケドニアの地で最初の弟子たちを呼び集め、福音伝道に励むようになった。詩編の記者は、「わたしはこの地の信頼のおける人々に目を留め、わたしと共に座に着かせ、完全な道を歩く人をわたしに仕えさせます」(詩編101:)と歌っている。それこそ、主なる神の御旨であり、御心ではなかろうか。今も御子イエス・キリストは、「恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる」と言われる。わたしたちは、父なる神が、御子イエス・キリストを通して開いてくださった一筋の完全な道を聖霊の御助けを求めつつ、歩み続けたいと祈り願う。

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