すべての民の救い主

マタイによる福音書2章1~12節

牧師 原田 多恵子

「わたしたちは当方でその方の星を見たので、拝みにきたのです。」(2:2b)

 イスラエルの民には、野にある羊飼いたちに救い主誕生の知らせが、天使たちによってもたらされました。(ルカ2:8以下)当時の社会で、彼らは貧しい疎外された人たちでした。

 他方、異邦人である東方の学者たちには、輝く星が「ユダヤ人の王としてお生まれになった方」のあることを告げました。彼らは、王宮に仕え、占星術にたけ、世界の異変に洞察力を持った人たちでした。

 学者たちは、王に献げる黄金、乳香、没薬を携えて、多分ペルシャ、メディアあたりの町から出立したと考えられます。幼子の誕生は、夜が舞台です。羊飼いたちも東方の学者たちも、夜に行動しています。それは、闇に包まれた世界に“光”がもたらされたからなのです。

 学者たちは、ヘロデ王に会い、救い主誕生の地は、ベツレヘム(ミカ5:2)であることを知りました。彼らは、星の導きに従い、母マリアと共におられる幼子の家に入り、「ひれ伏して幼子を拝み宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬」を献げました。

 「すべての民の救い主」が来られました。この年も、わたしたちは、この救い主を礼拝し、わたしたちの最も大切なものを献げる心を持って歩みましょう。

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