十字架の勝利

 牧師 原田 史郎

 主イエスのもとに、何人かのギリシャ人が面会を求めて、やってきました。二人の弟子たちから、このことを聞かれた主は、「人の子が栄光を受ける時が来た」と言われました。この「栄光の時」とは、主が十字架に架けられた時のことです。

 そしてさらに「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ」と言われます。

 芽が出てくるところを「はい」といいますが、稲や玉蜀黍は、種の中の「はいにゅう」に養分をためています。その養分を取りながら、はいにゅうから「子葉」が出てきます。一粒の種は、自分の核、命を失うことによって、新しい多くの命をもった実をみのらせます。

 主イエスは、ご自身の命を十字架で失うことによって、わたしたちに命を与えて下さいました。それは、まさに「十字架の勝利」そのものなのです。

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