揺り動かされない確かなもの 牧師 原田 史郎 ヘブライ人への手紙12章18~29節 わたしたちは、いつもいろいろなことに揺り動かされて生きています。後で考えれば、杞憂に過ぎなかった取り越し苦労のような小さいことから、進退窮まれり、といった自分の生き方や生死にかかわる事柄まで多くあります。揺れ動くのがわたしたちですが、その度に動揺し、確信を持てないで歩むのは、主のみ心が痛むことです。 ヘブライ人への手紙は、「わたしたちは、揺り動かされない御国を受けている」と語ります。わたしたちが、たとえ終わりの日々を数えるとしても、それは「あなたがたが近づいたのは、シオンの山、天のエルサレム」だと、希望を約束するのです。 地上のシオンの山の上には、エルサレム神殿が建っていて、そこは神の臨在の場所でした。地上の巡礼者たちは、長い旅路の末、シオンの山を見たとき、すべての労苦を忘れて、喜びと感激に胸が打ち震えたのでした。その喜びを歌った詩編が幾つもあります。(詩編9、48、100篇他) しかし、キリスト者が近づいているのは、地上ではなく、天のエルサレムであり天のシオンなのです。神の玉座をとり囲んで、「無数の天使たちの祝いの集まり、天に登録されている長子たちの集会」が開かれている真の教会があるのです。眼差しを上げ、主に感謝しつつ仕える者となりましょう。 |