神の民の選び

(11月11日の説教から)

創世記13章1~18節     牧師  原田 多恵子

 

 神は、メソポタミア(現在のイラク)のウルにすむアブラム(後のアブラハム)に声をかけられました。「父の家を離れて、わたしが示す地に行きなさい。わたしはあなたを大いなる国民にし、あなたを祝福し、あなたの名を高める。祝福の源になるように」

 アブラハムは、父テラと妻サライ、それに甥のロトと共に出立し、途中で父テラが死んだ後、さらに旅を続けてカナンに入りました。カナン人の住むシケムに来たとき、神は再び75歳のアブハラムに「あなたの子孫にこの土地を与える」と約束されました。彼はそこに祭壇を築きます。

 飢饉のとき、アブラハムは一時エジプトに下ることもありましたが、神の祝福を受け、彼もロトも家畜などの財産が増えます。そうなると両者の家畜を飼う者同士の間に争いが生じました。争いを避けるためにアブラムは別れることを提案し、ロトは死海周辺の潤った低地を選び、アブラムは高地に残ります。神は、三度アブラムに声をかけられ「さあ、目を上げて、あなたがいる場所から東西南北を見渡しなさい。見えるかぎりの土地をすべて、わたしは永久にあなたとあなたの子孫に与える」と言われました。

 新約聖書は、このアブラハムについて、ユダヤ人たちは「わたしたちの父はアブラハムです」と自分たちの正当性を主張すれば、主イエスは「アブラハムが生まれる前から”わたしはある”」(ヨハネ9章58節)と言われました。このほか、使徒言行録7章。ローマ信徒への手紙4章。ヘブライ人への手紙11章など、アブラハムについて語っています。神はアブラハムを通して神の民を選ばれ、民は神を信頼して従いました。わたしたちも神の民として、信仰を持って主に従っていきたいと思います。そこに希望があるのです。

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