「災い転じて福となす」

(9月21日の説教から)

牧師 原田史郎

使徒言行録16章16~34節

 

エルサレム会議の後、パウロは、シラスとリストラで弟子になったテモテを伴って、二回目の伝道旅行に出発しました。そしてヨーロッパの最初の都市、フィリピに足を踏み入れます。ところがそこで、占いの霊に取りつかれた女奴隷につきまとわれてしまいました。 たまりかねたパウロは、イエス・キリストの名によってその霊に出て行けと命じます。

このため、この女から収入を失った主人たちは、パウロとシラスを役人に訴え、群衆も責め立てたので、高官は、二人を鞭で打たせ、足枷をはめて、牢に投げ込んでしまいました。当時、ユダヤ人は、騒乱を起こす者と警戒されていたのです。

これは真に理不尽な措置です。それにも関らず二人は牢の中で賛美し、神に祈っていますと、地震が起き、牢の戸が開き、他の囚人の鎖も外れました。看守は、戸が開いているのを見て自殺しようとしましたが、パウロの声掛けによって、囚人たちが牢に留まっていることを知り、パウロたちの前にひれ伏し「救われるためにどうすべきでしょうか」と聞きました。二人は「主イエスを信じなさい。そうすればあなたもあなたの家族も救われます」と言いました。真夜中でしたが、看守と家族は皆すぐに洗礼を受けたのでした。

「福音は福音を担う者の苦難を通して運ばれる」と言います。理不尽に思えることの中に、実は神さまの豊かな導きがあるのです。主への信頼と福音の喜びを持ち続けるとき、災いも祝福の流れへと変わるのです。

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