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洗礼から開かれる道 （１月１１日の説教から） 牧師 原田 史郎 ルカによる福音書３章１５～２２節 洗礼者ヨハネは「わたしはあなたたちに水で洗礼を授けるが、わたしよりも優れた方が来られる」と人々に言います。そして「その方は、聖霊と火であなたがたに洗礼をお授けになる」と預言しました。彼の洗礼は、人々を悔い改めに導きましたが、それは禊（みそぎ）のようなものでした。一時的に清められても、人間の罪に満ちた本性を変えるものにまで至りません。しかし、メシアによる洗礼は、わたしたちの魂に深く巣くっている罪を焼き尽くし、潔め、そこに聖霊による新しい命を与えてくださるのです。 ヨハネから洗礼を受けられたイエスが祈っていると「天が開け、聖霊が鳩のように目に見える姿でイエスの上に降って」来ました。これは、特別な顕現であり、神の霊が明確にイエスと結びつき、神と子なるキリストの一体性を現わしています。また「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえてきました。この言葉は、「王の即位の詩編」といわれる詩編２篇７節の言葉です。民衆がヨハネから洗礼を受けているときに、イエスも共に受けています。人々と共におられるイエスは、民と結びつき、その民とも一体となり、イスラエルの王として即位されたのでした。ヨハネの使命は、イエスを証しし、洗礼を授けることでした。そして、イエスが洗礼を受けられたとき、そこから神の国の宣教が始まりました。 わたしたちも、イエスの聖霊と火による洗礼を受けたとき、神の国に生きる新しい道に踏み出したのです。 |